"『君が望む永遠』の悲劇は愛情と憐憫を取り違えたところに"

http://d.hatena.ne.jp/hajic/20060305/p1

君が望む永遠』の悲劇は愛情と憐憫を取り違えたところにあり、我々おたく少年たちの想像力過多と、にもかかわらずの他者性の欠如がその要因である。それは80年代から続く少年誌ラブコメの系譜のある側面での終着点であって、だからこそ「あの状況選択」は間違いであることを明確にした。

理解できないあなた、その存在を認めること、これがどれだけ困難で、また時に残酷であることか。むしろそれはほとんど不可能である――その説を唱えた多くの人々が絶望のあまり刹那に走り、理解できるという説を主張する多くの人々が今も世界で正義を振りかざし合う――そんな世界のただ中で、二人の「理解できないあなた」がすべき事は、おそらく同情の交換などではない(少なくともそんな物語を私はわざわざ読みたくない)。