最近、話題の、創作と事件

 どちらも、「風説の流布」が議論の対象となっているようで面白い。

 普通の物語は、そう、積立預金みたいなもの。少しずつ積み立てて、最後にどっと回収する。これがカタルシス
 ジャンルものは、確定利回りの証券に類似した部分があるか。最後にどっと、犯行の謎、世界の謎の分、元本保証で帰ってくる。
 萌え創作は、もう株式みたいなもの。ファンが多くなると、どんどん株価が釣りあがる。同人市場で売買して、利益をだしてウマー。

 そう。いま話題のあの作品は、アオリ文句を見て、元本保証と信じて買ったけど、なんだこのオチは、と怒るものと、巧妙に同人市場、二次創作市場でうっぱらって儲けたものの争いかもしれない。違うか。さらに、なにはともあれ、風説の流布、株価操縦はいけない派と、日本に風穴をあけたと評価する派の違いにも見える。

 ただ、創作という証券は、満期が来て償還されて、はい終り、というだけのものでない。キャラに愛着を持っていたり、開いた世界を持っていると、そのままホルダーとなり、持ち続けることになる。なんだ、当初の事業計画どおりに利益が得られないじゃないか、という非難ももっともだが、持ち続けることで夢を持ち続けることっていうのもある。だから、きちんと閉じていない作品を、一概には責めたくはない。