"新世紀エヴァンゲリオン (後編)"

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エヴァから10年、オタク系文化はこの「気持ち悪い」から逃げ回り、綾波(=母親的)存在である強化人間ヒロインとの「他者なきロマンス」に退行していったのだと思う。その代表例が「他者なきロマンス」の相手にセカイの運命を背負わせて、世界ごと主人公のナルシシシズムを承認する「セカイ系」と、強化人間ヒロインとの「他者なきロマンス」を社会正義に保証させようという福井晴敏的「シャカイ派」だろう。どちらもエヴァ劇場版ラストの「気持ち悪い」から逃げ回り、母親的強化人間ヒロインへ没入することで現実から目をそらしている点で同根だと言える。

 思春期の心理の行き先はどこへ。
 ユメミルクスリ、を最後に、思春期大作は見当たらないような。智代Afterは、CLANNADのFDだし、TH2は思春期の人向けであっても、思春期の心理を描くものじゃないと思うし。
 「昔は地域共同体に従属し」
 「近代の大きな物語に取り込まれ」
 「現代の、大きな物語を喪失した人間がオタになってサブカルに他者を求め」
 で、今後どうなるんだろうね。
 動物化して他者が不要になるのか、コミュニケーションの多様化で、現実の他者との交流が容易になるのか。