"戦闘中は1人当たり50kg,警備態勢40kg,休養中30kgの物資が必要"

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・約10万人の軍隊が,ソ連国境の町(クシカ,テルメズ)から平均700km地点に駐留している.
 ・アフガン国内では,飲料水以外は殆ど入手できないから,食糧,暖房用・車両用燃料,医薬品を含む全生活物資をソ連国内から輸送し,その量は兵員1人1日当たり,40kgとする.
 この見積もりは航空機用燃料,弾薬,爆弾を含む.したがって少々低めの見積もりである.自衛隊幹部による推定では,戦闘中は1人当たり50kg,警備態勢40kg,休養中30kgの物資が必要とされる.
 ・これらの数値を合計すると,ソ連軍が必要とする輸送量は280万km・t(輸送距離と輸送重量の積)である.
 ・輸送手段としては,大型トラック1台1日当たりの輸送力(貨物4tを積み,250kgを走破)は1000kg・t,また,航空機は同じく(10t, 1000km)10000km・tと見ればいい.
 ・全輸送量の20%をソ連の軍事航空部隊(VTA)とアエロフロート航空が運び,残りの80%を地上輸送部隊の大型トラック,トレーラーが担当する.
 以上の控え目な見積もりによって計算すると,1日当たり大型輸送機56機,トラック2240台が休みなく運航しなければならないのである.
 また当然のことながら,この数字は往路だけのものであるから,復路にも――荷物は積んでいないが――距離は消化しなければならない.
 とすると,112機の輸送機が1000km,4500台の大型車が250kmを飛び続け,走り続けることになる.
 これらに必要な燃料・人員を考慮すれば,いかに大国のソ連とはいえ,軍事介入を長期間続けることは不可能であった.