リスクと結果と平均寿命

htt://d.hatena.ne.jp/amai_oyatsu/20050929/p3

たとえば労働時間や遺伝,あるいは経済状態等の要因について,おそらくは調べられてはいるのだろうが,大きく取り上げられることはない(あったら教えてください).

これは,たとえて言うならばイラクに駐留している米兵が殺される要因として,「ひとりで歩く」,「人ごみに出かけていく」,「武器を携帯せずに歩く」等の中で,どれが一番大きいかを調べているようなものである.そして,殺された状況を統計的に調べた結果,「ひとりで歩くのが一番危険だから,一人歩きはやめろ」と.

一番大きな要因は明らかにイラクに駐留していることである.イラクから撤退すればイラクで殺される確率はゼロだ.これを除外した上でいくつかの要因を調べたところで,あまり意味はないし,一人歩きをやめたところで,殺される確率はほとんど下がらないだろう.


ストレスと肺癌の関係は調べられているらしい
http://www.srf.or.jp/thema/documents/thema_past/main/list_gan.html


疫学的な問題
http://www.venus.sannet.ne.jp/naoki-nz/school/PublicH/epidemilogy/bunseki1.htm

ある町では、大工場の大気汚染による慢性呼吸器疾患(X)の発生と、上水道の未整備地域での消化器疾患(Y)の発生が特に高く問題となっている。疫学調査の結果、下のような結果を得た。大気汚染防止装置の整備に対する補助金上水道の整備に対する補助金は同じ金額がかかるとされる。どちらの対策を優先すべきか?

 是非、例の禁煙ファシズム論をイスラエルと独逸で、イラク論をアメリカ駐屯地で、やってきてほしいものだ。ロシア軍機甲部隊が、チェチェンで、ゲリラに襲撃された事例を解析し、増加装甲の装備や対空戦車の随伴を始め、被害を減らした事例があった。人によっては、チェチェンから撤退すれば、死者は無くなるというだろう。誰か言ってきて。


  

 さて、喫煙がイラク戦争に例えられているが、どちらかというと、スピード超過に例えたい。
・スピードを上げると、事故のリスクが増える。また、事故が発生した場合の被害も増す
・スピードを上げたからといって、必ず事故になるとは限らない
・制限速度以内だから、事故を起こさないとは限らない

これが、リスクを考える上で適当な材料だとはおもう。


 速度超過は、リスクが高いと制限されるようになった。昔は、かっ飛ばした人も、事故を起こしたり、起こした人をみたりしたことから、「事故というイベントの重み付け」について発言している。ここで、自分の身内は速度超過の常習だったが事故を起こさなかった、と発言しても、高く評価されることはないだろう。また、「自動車を運転なければ交通事故は起こらない」から「速度超過なんてたいしたことはない」と発言しても同様。道路構造が悪いとか路上駐車が悪いとか叫んでも同様。官憲の取り締まりに、「交通ファシズム」と叫んでも同様。スピード違反が日本人の余命に影響する研究はあるのかと叫んでも同様。スピード違反と社会階層の関連について叫んでも同様。