さくらむすび、感想つづく

 桜ルート、ハピーエンド改変、を考えてみる。if、というやつか。
 桜の卒業式を控え、故郷に戻ってきた圭吾。
 らぶらぶ〜。
 翌日、卒業式の朝。
 らぶらぶ〜。
 三送会を眺める圭吾や紅葉や邦彦たち。
 順調に、演目が進み、アナウンスが流れ、会場が暗くなる。
 「さくらむすびを、知っていますか?」
 可憐たんの、澄んだ声が会場に響く。
 「いまはもう、廃校となった、ある学園で受け継がれていた儀式でした」
 あれ?式次第と演目がちょっと違うかな。訂正のアナウンスだったのか。暢気にかまえる圭吾たち。才色兼備の可憐たんの演技に、メロメロとなる生徒たち。だが、圭吾は、劇の進行につれ、真っ青になる。
 それは、化け物に翻弄される、恋人達の物語。何かしら目に見えない大きな力のために、離れ離れにされようとし、あがく恋人達。その過程で彼らは、周囲の者たちを傷つけていく。裏切られ、取り残された少女を、可憐たんは切々と演じる。声を出すものの無い会場。そして、明かされる「化け物」の正体。血の呪い。驚きに叫ぶ聴衆。別の意味で声の出ない圭吾。

 ぽん。

 そこで出番の邦彦たん。

 「DNA鑑定は、ボクがやらせてもらったよ *1 」


 驚愕の中、劇は終わる。万雷の拍手。桜並木、雪の中、手を取り合って眠る二人の姿は、未来を暗示しているかのよう、のだった。




*1 えーと、大学1年とか2年でDNA鑑定が可能かどうかについては、考えないでおく。