"統計学的な有意性検定の意味のなさ "

http://takenaka-akio.cool.ne.jp/etc/stat_test/

雑誌の編集者やレフェリーは,「統計学的な手法を使え」と言うだけでは不十分で,「適切な統計学的な手法を使え」と言わないといけない.

野生生物の分野に限らず,心理学とか社会学といった soft な科学で統計学的仮説検定をやりたがる背景には,物理学のような hard な科学をうらやむ気持ちがあるんではないか.

物理学は,世界がどうなってるかについて理論をたてて,それに基づく予測を導く.その予測を科学的な仮説として真偽を検定する.予測が裏切られたら,理論が間違ってたことが分かる.いっぽう,野生生物の生態の分野で検定する仮説は,世界がどうなってるかについての理論から導かれる仮説ではない.たいていは,集団の性質についての統計学的な仮説だ.

 だいたい、生データの分布が示されれば、二群に意味のある差があるかどうか(もしくは差を検出するに足る、データが用意されているかどうか)は判断できる筈。単に二群の平均値を示す、二群の平均値と偏差を示す、よりはもう少し進んだ検証方法だけど、これが全てではないということで。
 科学的論文には、しかるべき統計学者の裏書を必須とすべきだ、という過激な意見を読んだことはある。