ウィザーズ・ブレイン (5〔上〕)

読了。
「ば、バカか貴方は!ノイズメーカーなしでどうするつもりだ、ただの人間が魔法士に勝てるわけがないだろう!」
と真っ赤になって怒る、黒髪ツインテールツンデレのサクラたん、もぇ〜。

 この作品世界では、"魔法士"が、通常の物理法則を超える能力を見せ、ある種の魔法士を犠牲にすることで、人口1000万の"シティー"を存続させている。主人公サイドは、
・例えどんな理由があっても、魔法士を犠牲にすることはよくない。
・自分が関わった女の子を助けるために、1000万人の人間を消滅させても、仕方がない。魔法士を使い捨てにした罰を受けるべきだ。
 と、"シティー"に対して共感を持っていない。それだけなら、主人公側がDQNなだけ、と割り切ってもいいのだが、作中でも、シティーを崩壊させたことについては言及されておらず、主人公側が引き起こした惨事についてはスルー。行為には結果が伴い、賠償責任とか罪とか罰とか、そういうものはさておき、起こったこと、起こしたことはきちんと受け入れるべきであろう。主人公サイドはそれを無視し、作者がそれを記述しないことによって、読者も都市の崩壊を忘れてしまえば、崩壊した都市住民は浮かばれない、と思うのだ。
(一応、都市を破滅させたのは主人公達でなく、僅かであれ、救済する側になっているのだが)
(おそらく、世界を崩壊寸前に追い込んだ元凶を破壊し、対立を止揚するんだろうけど)