ハンニバル戦記

ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) (新潮文庫)
 読書中。
 ハンニバルは、ローマ軍を包囲して、重装歩兵を無効化した、と塩野七生は書いている。あまりイメージが掴めないが、一旦包囲されると殺戮されるがままらしい。
 さて、両翼に騎兵を配置したハンニバル軍、中央に歩兵を配置し、やはり両翼に騎兵を配置したローマ軍。ただ、騎兵の性能に差がかなりあったという。なんというか、戦車を主体とした機甲大隊と、装甲車主体の偵察大隊くらい差があったのか。そんなわけでローマ軍の両翼は崩れ、包囲されてしまったわけだ。
 人数で倍したローマだが、騎兵の差は如何ともしがたい。この時点で、騎兵の補充は不可能だ。では、同じ条件で、采配の振るいようによって戦局は覆せたか。歴史にIfは、と作者なら言うだろうけど。
 後世から見れば、後出しで戦略を立てることはできるだろうが、実際は部隊と司令部との意志の疎通、兵の訓練度、そういうものにも左右されるし。フィクションなら、敵将をひっかけて逆転に成功するのだが、それもどっちに転ぶか分からない賭けだし。
 ということで、一番は「政治的なアピールのために戦闘を強要されない」「強い敵と正面から戦わない」「馬には野戦築城で対応する」、次は、「虎の子の騎兵は、予備兵力に取っておく」「もう少し、予備兵力を手元においておき、包囲に備える」、対策としてはこんな感じ?答えあわせは次号にて。