ギルドのS…クラス冒険者

残業で疲れ果てて帰路についたワイ、青信号の横断歩道で転生トラックに跳ねられ死んだ。
白い部屋で白い服を来た人と面談し、草原に立つ。暫く歩くと、おっ!魔物に襲われている馬車が!
護衛も奮闘しているが劣勢だ。チートアイテムとチートスキルで参戦し、サクサクと全滅させた。
馬車の中から美少女が飛び出てくる。
「どうもありがとうございました。私は貴族令嬢です。今、私の街が危機にあります。お礼するので力を貸してください」
というわけでギルドの受付に到着。ニヤニヤしながら足を引っ掛けようとする冒険者も後ろを歩く貴族令嬢を見て慌てて足を引っ込める。

カウンターには、猫耳受付嬢が待っていた。
「ギルドの説明をするニャ。新規が銀貨5枚、なぜか再発行は金貨5枚、スキルや賞罰が表示され、入金すると金額が表示され、この街でも王都でも他国でも一瞬で残高が反映される仕組みニャ。冒険者のスキルやステイタス、討伐数で自動的にクラスが変わるニャ」
ネットサービスの約款並にふっ飛ばすギルドの説明を聴き終え、水晶玉に手を翳す。
クラスE、クラスD… 水晶玉が輝く。クラスA、クラスS… まだまだ上がる。伝説のクラスSSか!? 前世では力を発揮できなかったワイ、ここでチートでハーレムの実現っすか! そして光が止まった。
えっ?
「このギルドカード、古代のアーティファクトで出来ているんだよな!なんかバグってるぞ!!」
叫んで机を叩く俺の手を、毛むくじゃらなぶっとい腕が掴んだ。
「ギルドカードのご都合主義的なシステム、誰が作り、誰が運用すると思ってる?」
「あ、ギルドマスター!」
猫耳受付嬢の声が聴こえた。
「お前だよ」


ギルドカードに表示されている文字は
クラスSE。



たぶん、今後、
「高レベルの人は低レベルなステイタスを閲覧できるが低レベルは高レベルなステイタスを見られない」機能、とか
「スッと、ステイタスをスワイプするとそのステイタスを隠蔽できる」機能とか実装するロードマップ