Thinkpad z siries

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1007/config075.htm

 ThinkPadのZシリーズが発表された。驚くのは、従来のThinkPadのイメージが多くの面で一新されている点だ。

 まず、一部モデルでチタン天板が採用された。ダイヤモンドの次に堅いというチタンは、10円玉でひっかいても、傷つくのは10円玉の方という硬度を実現したそうだが問題はその色。一見すると、いわゆるアルミの銀パソに見えるのだ。

 さらに、WXGAのワイド画面である。さすがに、画面を美しく見せるためのツルツル液晶ではないが、すわ、ThinkPadがコンシューマー狙いに転じたのかと勘違いしそうだ。だが、レノボによれば、このワイド画面はビジネス用途にも必ず貢献するという。

 そしてキーボード。パッと見た感じで変わっているようには見えないが、よく観察するとWindowsキーアプリケーションキーが増えていることがわかる。ワイド画面の採用によってキーボード幅に余裕ができたこともキー増設の理由らしいが、この2つのキーを採用してこなかったThinkPadの頑固さを振り返ると、ちょっと意外だ。

 実は、このほかにも、あまり大きな話題にはなっていないが、ポートリプリケータの端子形状も、電源アダプタのプラグ形状も変わっている。ほとんどの周辺機器が共通で使えるThinkPadのユニバーサルルールはこれで破られてしまった。

発表会会場で、ThinkPadの『変化』について質問したところ、レノボ・ジャパン取締役副社長、研究・開発担当の内藤在正氏が答えてくれた。ユーザーに変化を強いるということは大変なことである。でも、それを怖がっていたらイノベーションは起こせないというのがその論旨だ。

 えーと、Appleといえば、今はiPod屋であり、音楽販売屋だが、昔はパーソナルコンピューター屋として知られていた。木箱のようなapple Iから始まり、Macintoshを発売。Mac IIのあたりから、スノーホワイトの時代(フロッグデザイン)が始まった。そしてMacII VXの頃からエスプレッソの時代(ロバート・プルナー)。なんとかPowerPCを乗っけたMacも、次期OSを巡って迷走。アイブの時代(ジョナサン・アイブ)となり、iMacで一発当てる。トランスルーセントがイメージシンボルのようだったMacも、デスクトップはメッシュな金属となり、コンシュマーノートとiMacはホワイトを基調としたものとなっている。7色の林檎は、モノカラーの林檎に変更された。
 Appleは、時代と共にデザイン言語を更新し続けている。その時々では、旧来のファンから非難を浴びているが、結果として、少なくとも今まで会社は存続している。ブランドとしての個性、まあ、ジョブスの個性を示し続けたからだろう。

 ブランドの個性といえば、ポルシェ。2.7l空冷RRの割と軽量なスポーツカーだった。GTな人向けに、928を出したらあんまり喜ばれず、貧乏人向けに、OEMな914とか作っても、貧乏臭いとあんまり喜ばれなかった。914と928のあいの子のような、944は順調に進化したけれど、日本車に押されて消滅。幾度か危機はあったけど、911を順当に進化させ、3lの水冷、軽量級とはいい難い立派な車になっている。これは、飛躍に成功した例で、空冷エンジンという、コアにも匹敵する属性を捨てて、速い車を作る会社、というイメージを手に入れたといえる。
 ソアラはオープンカーとなって存続している。スカイラインは、ショートホイルベース、長いオーバーハング、狭い室内というあまり近代的でない属性を残した結果、ブランドごと一旦消滅した。速い車、さらには格好いい車というイメージが消失したのだ。ブランドはその属性を継続していればイメージが保たれるというものではない。
 
 というわけで、ブランドイメージの跳躍を否定するものではない。でも、ここも便利、あれも便利、それも便利、というレノボの新作に、忠誠心を発揮させるような個性はいまのところ見られないなぁ。


/.jpでの反応
http://slashdot.jp/comments.pl?sid=279222&cid=0&pid=0&startat=&threshold=-1&mode=nested&commentsort=0&op=%CA%D1%B9%B9

Appleデザイン言語
http://homepage1.nifty.com/montan/Design2.html